連載 Medical Scope
運動療法による腎臓保護メカニズム
上月 正博
1
1東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野教授
pp.69-73
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.03_0069-0073
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慢性腎臓病(CKD)はわが国で1,330万人も罹患している国民病である。最近,CKDの治療は「運動制限から運動療法へ」のコペルニクス的転換を果たした。腎臓リハビリテーションの中核をなす運動療法は,フレイルの予防・改善,ADL・QOLの改善,心血管疾患予防による生命予後改善のみならず,腎機能改善・透析移行防止のための新たな治療としての大きな役割が期待されている。本稿ではCKDラットモデルでの筆者らの研究を中心に,運動療法による,eNOS産生増加,尿蛋白増加抑制,腎糸球体へのマクロファージの侵入抑制,線維芽細胞増殖抑制などの腎保護メカニズムに関して述べた。
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