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がんはわが国における第一位の死亡原因であり、2016年の死亡総数に占める割合は28.5%です。これは全死亡者の約3.5人に1人はがんで死亡したことを意味しており、がんに対する効果的な治療・再発予防が急務となっています。近年がん治療として手術療法、化学療法、放射線治療の三大がん治療に加えて「第4のがん治療」としてがん免疫療法の研究開発が進展しています。がん免疫療法とは、生体が備え持つ免疫機能を高めることにより、がん細胞を排除する治療法です。がん免疫療法には非特異的免疫療法と特異的がん免疫療法の大きく分けて2つあります。なかでも免疫チェックポイント阻害療法と養子免疫療法の1つであるキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor;CAR)-T細胞療法は、難治性の悪性黒色腫や白血病の患者に対して、既存の治療では得られなかった顕著な臨床効果を示すと報告され、注目が高まっています。CAR-T細胞療法の臨床試験は複数となっていますが、副作用は多岐にわたり、疲労感・発熱・食欲不振などの他は種類によって異なるとされており、出現率や発生時期なども予測がつかないため注意が必要です。治療期間は長期にわたることもあり、体力や免疫力を維持し高めていく必要があります。がん患者ではさまざまな要因から経口摂取量の減少などをきたし容易に低栄養状態に陥る可能性があります。がん治療を行う上でどうしても避けられない痛みや副作用をうまく乗り越えられるよう、体力や免疫力を維持し高めていけるようバランスの良い食事を心がけ、自分らしく食生活を送ることが大切です。また、栄養価の高い食事は体力を維持し、身体が感染症と闘ったり、治療で影響を受けた正常な細胞組織を修復したりするのを助けます。
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