特集 ビヨンドコレステロール時代の動脈硬化リスク管理
PCSK9阻害薬によるLDLコレステロール管理の位置づけ
小久保 学
1
1国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 循環器内科部医長
キーワード:
PCSK9
,
エボロクマブ
,
アリロクマブ
,
ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体薬の適正使用について
Keyword:
PCSK9
,
エボロクマブ
,
アリロクマブ
,
ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体薬の適正使用について
pp.9-13
発行日 2018年10月20日
Published Date 2018/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.10_0009-0013
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スタチンによるLDLコレステロール(LDL-C)低下療法は,心血管イベント(cardiovascular disease;CVD)抑制効果・総死亡抑制効果について過去20年以上にわたり多くのエビデンスを構築してきた。その一方,ストロングスタチンを高用量用いたとしても,CVDの抑制率は40%程度以上には改善を認めず,スタチン治療の限界が示唆されていた。急性冠症候群を対象としたIMPROVE-IT試験1)では,スタチンにエゼチミブを加えLDL-Cを約17mg/dL低下させることにより,CVDを約6%有意に抑制したと報告された。スタチンに限らず確実にLDL-Cを低下させることが重要であることが証明されたのである。強力なLDL-C低下作用を有するPCSK9阻害薬が2016年に発売され,スタチンなど従来の薬剤では管理が困難であった患者においても,十分なLDL-Cの低下を達成することが可能になった。本稿では現時点におけるPCSK9阻害薬の位置づけを明らかにする。「KEY WORDS」PCSK9,エボロクマブ,アリロクマブ,ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体薬の適正使用について
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