特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
LDLコレステロール,HDLコレステロール
岡田 正彦
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科予防医療学分野
pp.243-244
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104756
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
コレステロールは水に溶けにくく,そのままでは血液中を流れていくことができない.そのため,中性脂肪とともに両親媒性の膜(外側が親水性,内側が疎水性)に包まれ,粒子状となって存在している.この粒子をリポ蛋白と呼ぶ.リポ蛋白の膜はリン脂質と蛋白(数種類のアポリポ蛋白)で構成されており,その組成によってサイズ,比重,生理的意義などが異なる.
食事として摂取したコレステロールや脂肪酸は,腸管の細胞でカイロミクロンと呼ばれるリポ蛋白に組み込まれ,血液中に放出される.カイロミクロンは血液中でリポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase:LPL)によって代謝(中性脂肪が分解)され,少し小型のカイロミクロン・レムナント(代謝物)となり,肝臓に取り込まれる.
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