特集 ACO:喘息とCOPDのオーバーラップ
疾患概念・歴史
橋本 修
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
pp.9-15
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.07_0009-0015
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気管支喘息(喘息)と慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)の両者は原因,炎症の発生機序,病理組織像,気流閉塞部位,症状,などが異なりそれぞれが独立した疾患であるが,喘息とCOPDそれぞれの特徴を併せもつ症例が存在する。このような場合を喘息とCOPDのオーバーラップ症候群(Asthma and COPD Overlap Syndrome;ACOS)と呼び,Global Initiative for Asthma(GINA) & Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD)の合同委員会は2014年にACOSを「喘息の特徴とCOPDの特徴および持続性気流閉塞を有する特徴を示す」と定義した。しかし,その後,症候群は原因不明(原因が判明後も使用する場合がある)で共通の病態(臨床症状・検査所見など)の場合に使用される言葉であること,喘息およびCOPDはそれぞれさまざまな機序によって病態が形成され,臨床的特徴も多様性を認める疾患であることから,症候群という言葉はふさわしくないので,症候群という言葉を外して「喘息とCOPDのオーバーラップ(Asthma and COPD Overlap;ACO)」と呼称することが提唱された(GINA2016)。「key words」ACO,オランダ仮説,イギリス仮説
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