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特集 今再び問う,内因性精神疾患と心因性精神疾患の概念
内因性概念と心因性概念の歴史と現状—歴史から学ぶこと
A History of Concepts of Endogeneity and Psychogenesis:What we can learn from history
橘川 清人
1
Kiyohito Kikkawa
1
1きっかわクリニック
1Kikkawa Clinic, Kisarazu, Japan
キーワード:
Endogeneity
,
Psychogenesis
,
Multi-dimension
,
Situation
,
Transcendental dimension
Keyword:
Endogeneity
,
Psychogenesis
,
Multi-dimension
,
Situation
,
Transcendental dimension
pp.741-748
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205859
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抄録 内因性-心因性の概念は,歴史的にはJaspers-Schneiderの古典的精神病理学によって両者が峻別されることから始まった。そこでは内因性/心因性は,すなわち未だ身体に基礎付けられない疾患/経験的出来事への反応であり,方法論的には説明/了解の対象である。その後の精神病理学はこの二分法と心身二元論をいかに乗り越えるかの格闘の歴史であった。チュービンゲン学派の多次元診断,多くの発病状況論などを経て,うつ病に関してはTellenbachの,統合失調症を含めた内因性精神病については木村敏の,二元論を越える積極的な「内因」概念に結実する。経験論的次元と超越論的次元の「あいだ」の「ねじれ」が病因論的次元として見出されることで,なぜ「内因」が未だに実体論的に解明されないのかが理解される。
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