特集 糖尿病性腎症の克服を目指して~up to date~
SGLT2阻害薬と腎機能
金﨑 啓造
1
1金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学准教授
キーワード:
糸球体高血圧
,
ナトリウム依存性グルコース輸送担体2
,
単一ネフロンGFR
,
尿細管・糸球体フィードバック
Keyword:
糸球体高血圧
,
ナトリウム依存性グルコース輸送担体2
,
単一ネフロンGFR
,
尿細管・糸球体フィードバック
pp.55-59
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.06_0055-0059
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「はじめに」腎臓近位尿細管に局在するナトリウム依存性グルコース輸送担体2(sodium-glucose co-transporter 2;SGLT2)は,糸球体より濾過されたグルコースの尿細管での再吸収に重要な役割を演じている。実際,濾過されたグルコースの約90%はSGLT2により,残りの10%はより下流に存在するSGLT1により再吸収される。持続高血糖症例において尿グルコース増加は,近位尿細管におけるSGLT2を介した血糖とナトリウムの再吸収増加,遠位側への塩化ナトリウム供給量低下を惹起し,tubuloglomerular feedback(TGF)の破綻,糸球体高血圧を誘導する可能性がある。SGLT2阻害薬は近位尿細管におけるグルコース再吸収阻害を介してTGF正常化を誘導し,糸球体高血圧を是正する可能性がある。「KEY WORDS」糸球体高血圧,ナトリウム依存性グルコース輸送担体2,単一ネフロンGFR,尿細管・糸球体フィードバック
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