特集 肝炎の最新情報と展望
B型肝炎ウイルス研究の進歩
渡士 幸一
1
1国立感染症研究所ウイルス第二部主任研究官
キーワード:
HBV
,
複製
,
感染
,
NTCP
Keyword:
HBV
,
複製
,
感染
,
NTCP
pp.15-18
発行日 2016年2月20日
Published Date 2016/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.02_0015-0018
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「はじめに」B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus;HBV)は1964年のオーストラリア抗原の発見が契機となって同定され,ウイルス粒子は1970年にDane粒子として発見され,1979年にウイルス遺伝子がクローニングされた。C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)に比較して古くより知られたウイルスであるが,そのウイルス学的および創薬面での研究は,近年飛躍的に研究が進展したHCVに比してむしろ遅れをとっているともいえる。その原因としては,ウイルス学の解析に必須となるウイルス培養系の確立が困難であったこと,創薬研究に大きな進展をもたらすウイルス蛋白質の精製およびその構造解析がほとんどのHBV蛋白質に関して十分な成功を収めていないこと,個体で感染を再現するモデルが特定の動物のみに限られ汎用的でないこと,などがあげられる。「KEY WORDS」HBV,複製,感染,NTCP
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