特集 多発性骨髄腫の最新情報Ⅰ
骨髄腫の各種病期分類とリスク分類
阿部 有
1
1日本赤十字社医療センター血液内科
キーワード:
Durie & Salmon分類
,
ISS
,
染色体異常
,
revised ISS
Keyword:
Durie & Salmon分類
,
ISS
,
染色体異常
,
revised ISS
pp.53-56
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.12_0053-0056
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「はじめに」多発性骨髄腫の病期分類は,以前はDurie & Salmon分類が用いられていたが,現在は国際病期分類(International Staging System;ISS)が主に使用されている。ただ近年になり染色体異常が予後に大きく影響することが明らかになり,2015年に提唱されたrevised ISSが今後の主流になっていくものと予想される。「Ⅰ.Durie & Salmon分類」Durie & Salmon分類は1975年にDurieとSalmonによって提唱された(表1)1)。これは骨髄腫のCRAB症状(高カルシウム血症,腎機能低下,貧血,骨病変)とM蛋白量を組み合わせ,Ⅰ期からⅢ期の病期およびA,Bの亜分類を規定している。Ⅰ期は,①Hb>10g/dL,②血清Ca≦12mg/dL,③骨X線像が正常もしくは孤立性形質細胞腫のみ,④M蛋白量が少ない(IgG<5g/dL,IgA<3g/dL,尿中BJP<4g/24h)の4項目すべてを満たす症例である。Ⅲ期は,①Hb<8.5g/dL,②血清Ca>12mg/dL,③進行した骨破壊像,④M蛋白量が多い(IgG>7g/dL,IgA>5g/dL,尿中BJP>12g/24h)の4項目の1つ以上を満たす症例である。「KEY WORDS」Durie & Salmon分類,ISS,染色体異常,revised ISS
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