地方医療史概観
製糸の町で開業医90年モノ語り(22) 「医聖ジーボルト先生」肖像画(大正期)
白川 貴士
1
1市立岡谷病院産婦人科部長
pp.118-119
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.08_0118-0119
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フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは日本近代医学の恩人であり,門人たちに実地的医療を伝授すると同時に,医学のほか博物学の教授を行った。たとえば私の専門である産婦人科領域では西欧式産科鉗子の使用法をはじめて直接伝授したのがシーボルトである。一般には博物学者として日本の植物や文化を西欧に研究紹介した功績が大きく知られている。この絵はシーボルトの子孫の一人(義理の甥に当たるとか聞いたように思う)である模範薬品研究所社長杉山氏がシーボルト顕彰のために頒布した肖像画で,原画は銅版画。明治天皇の御真影や旧五百円札の岩倉具視を描いた有名なE・キヨッソーネ筆である。私の祖父は日本医学校(日本医科大学)で杉山氏と同級であった由,また模範薬品研究所[2005年メルク・ホエイ(現:マイラン製薬)に合併]は現在も盛業中と仄聞する。
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