特集 原発性脂質異常症:疾患概念の整理と最近の進歩
原発性低脂血症 家族性低HDLコレステロール血症の分子機構
原 哲也
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野
キーワード:
低HDLコレステロール
,
家族性
,
分子機構
Keyword:
低HDLコレステロール
,
家族性
,
分子機構
pp.57-60
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.08_0057-0060
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「はじめに」多くの疫学研究により,血中HDLコレステロールの低値(低HDLコレステロール血症)は高LDLコレステロール血症と同様に独立した冠動脈危険因子であることが証明されている。低HDLコレステロール血症は,その成因により大きく原発性(一次性)と,続発性(二次性)に分類される。原発性低HDLコレステロール血症には,Tangier病,家族性LCAT(Lecithin-cholesterol acyltransferase)欠損症,アポリポ蛋白A-1(アポA-1)欠損症などが含まれ,続発性低HDLコレステロール血症には,喫煙,肥満,運動不足,甲状腺機能亢進症,肝硬変などさまざまな原因があるが(表),本稿では原発性にしぼって述べる。「Ⅰ.HDL合成の分子機構」原発性低HDLコレステロール血症は,HDLコレステロール合成に関わる各種分子の遺伝子異常により引き起こされるため,それら疾患の理解にはHDL合成の分子メカニズム(図1 1))が非常に重要である。「KEY WORDS」低HDLコレステロール,家族性,分子機構
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.