特集 皮膚悪性腫瘍:診療の進歩と展望
その他の主な皮膚悪性腫瘍・日光角化症:イミキモドクリームにより広がった治療の選択肢
加茂 理英
1
1大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学准教授
キーワード:
フィールド治療
,
ダーモスコープ
,
イミキモドクリーム
,
フルオロウラシル軟膏
Keyword:
フィールド治療
,
ダーモスコープ
,
イミキモドクリーム
,
フルオロウラシル軟膏
pp.45-48
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.06_0045-0048
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「はじめに」日光角化症(solar keratosis)[光線角化症(actinic keratosis):以下AK]の治療は,5%イミキモドクリームにより大きく変わった。変わった点は治療手段と治療ゴールである。治療手段は,外科的治療に加えて非外科的治療が行えるようになった。治療ゴールは,完全切除に加えて局所状態の改善・病状進行の阻止に設定できるようになった。このように,AKの多様な病状に柔軟に対応できるようになった。AKの背景と臨床的特徴を説明し,AKの臨床症状や患者の年齢や合併症にあった治療選択について検討する。「Ⅰ.日光角化症の背景」AKは皮膚有棘細胞癌の早期病変である。特徴的なのは発症メカニズムと発症年齢の高齢化である。発症メカニズムは,慢性的な日光紫外線曝露が表皮ケラチノサイトを癌化しAKが生じる1)。発症年齢は,40歳代で始まり70歳以上の高齢者で急増する2)。高齢者では合併症を伴うことが多く,AK治療の支障となる。「KEY WORDS」フィールド治療,ダーモスコープ,イミキモドクリーム,フルオロウラシル軟膏
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