野巫医のたわごと
(179)骨粗鬆症(4)―治療(3)
前田 貞亮
1
1前田記念腎研究所理事長
pp.78-79
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.04_0078-0079
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(前号より続き)7.生活習慣病関連骨粗鬆症生活習慣病関連骨粗鬆症について少し記さねばならない。骨粗鬆症(以下「骨そ」)の予防と治療のガイドライン(2011年版)には,生活習慣病と「骨そ」は加齢に伴い増加する疾患である。生活習慣病が骨代謝に影響を及ぼすことが明らかになっており,動脈硬化を惹起する疾患が関与すると記されている(114頁)。しかし次に「現在,生活習慣病関連『骨そ』として確立されつつあるのは糖尿病,とくにCKDによるものである」と記され,糖尿病の生活習慣と代謝におけるⅠ型とⅡ型の区別が明確には示されていない。ことにCKDについて「CKDの発症に糖尿病や高血圧などが関与し」とあることに対しては,CKDの発症と経過に必ずしもこれらは関与することは限らず,糖尿病の生活習慣による悪化が腎障害に関わることでCKDに加わることは,混同すると疾患の本質を誤解することになる。もともとCKDという言葉は学問的でない便利主義の用語ともいえるので,用いるときに注意すべきである。
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