特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
4 尿路・性器の感染症
非特異的感染症
057 急性精巣上体炎
本郷 周
1
,
矢澤 聰
1
,
大家 基嗣
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
pp.165-167
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103126
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1 概念・病因
急性精巣上体炎は陰囊内炎症性疾患の中で最も頻度の高い疾患である1)。発症年齢は20~30歳にピークがあり,性感染症の病原体としてのNeisseria gonorrhoeaeあるいはChlamydia trachomatis感染の頻度が最も高い2)。思春期以前あるいは中年以降では,尿路感染症の病原体であるEscherichia coliが最多であり,そのほかにHaemophilus influenza,Proteus mirabilis,Klebsiella pneumoniae,Pseudomonas aeruginosaなども原因となりうる2,3)。また,男性の発熱性疾患の鑑別診断としても重要である。結核感染から二次性に精巣上体炎を発症することが稀にあり,免疫抑制状態などの高リスクな症例で症状が長引く場合は,鑑別診断として考えるべきである1)。
非感染性精巣上体炎の原因として,Mycoplasma pneumoniae,Adenoviruses感染後の炎症性変化や,ベーチェット病などの血管炎,アミオダロンをはじめとする抗不整脈薬の服用などが知られている3)。
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