特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅰ プライマリケアで重要な皮膚症状とその対応
多形滲出性紅斑,スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)・中毒性表皮壊死症(TEN)
松倉 節子
1
1丸子中央病院皮膚科
pp.51-57
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000951
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診療のポイント
■多形滲出性紅斑は播種状紅斑丘疹型と並んで,中毒疹のなかでも最も多くみられる臨床型であり,なかでも発熱と粘膜疹を伴う重症多形滲出性紅斑(EM major)はスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)/中毒性表皮壊死症(TEN)の初期症状との鑑別が難しい.
■SJS/TENは同一のスペクトラム上にある疾患であり,わが国では罹患する体表面積が10%未満をSJS,10%以上をTENと定義し,皮膚粘膜の壊死性障害を呈する重症薬疹であり,特にTENは致死率が高い.
■SJS/TENの治療は早期のステロイド全身投与が第1選択であるが,近年はエタネルセプトなど,わが国での保険適用はないが,新規の治療法も注目される.
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