特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅰ プライマリケアで重要な皮膚症状とその対応
痒疹
室田 浩之
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学
pp.46-50
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000950
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
診療のポイント
■痒疹は皮膚病の診療において比較的遭遇しやすい疾患でありながら,疾患概念の世界的コンセンサスはいまだ確立されていない.
■わが国の診療ガイドラインは臨床型と原因でそれぞれ病型分類している.臨床型分類では,結節性痒疹,多形慢性痒疹,痒疹の3型に分けられ,それぞれの臨床的特徴を明示した.その原因は多彩で,各臨床型の原因は重複する.
■痒疹の病態形成には神経や真皮細胞外マトリックスの過形成・増加とType 2炎症が関与する.
■治療の選択肢は保険適用をもつ一部の局所コルチコステロイドを用い,難治例は光線治療,免疫抑制薬,液体窒素療法などの適用が検討されてきた.最近ではデュピルマブが既存治療に抵抗性を示す結節性痒疹の治療薬として新たに保険収載された.
Copyright © 2024, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.