特集 新生児・乳児の感覚に寄り添う
序文
北東 功
1
1聖マリアンナ医科大学新生児科
pp.381-381
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000911
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感覚,いわゆる五感とはご存じのように味覚,嗅覚,視覚,聴覚,触覚です.かつて,新生児は痛みを感じていないという誤ったことが信じられていた時期もありましたが,現在では,痛み刺激を代表とするこどもにとってよくない刺激は発達にも悪影響があることや,触覚や嗅覚は新生児期から実はかなり発達しているということが知られています.一方で,母子・親子関係は本来五感や気持ちを頼りに育くまれてゆくものですが,感覚的な育児ができない親が多くなっているといわれています.医療従事者もそういったことを大切にしなくなっているようにときに感じることがあります.とはいえ,小さいこどもほど五感を使って生きています.また,こどもに接するときにはわれわれ小児科医も五感をフルに活用してかれらの出すサインを捉える努力をしているのではないでしょうか.そこで,われわれがこどもに寄り添うために必要なのはわれわれの感覚であるということ,こどもたちの五感の発達にはわれわれが寄り添うことが必要であるということ,の2つの意味を込めて,本特集は新生児・乳児の感覚に寄り添うというタイトルで纏めさせていただきました.
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