特集 かぜ症状に隠れる呼吸器疾患—症例からひもとく鑑別方法
序文
中島 啓
1
1亀田総合病院呼吸器内科
pp.4-5
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200514
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かぜと初発症状が似ている呼吸器疾患は多い.一般内科外来や呼吸器内科外来には,「かぜをひいた」とか「かぜが長引く」という訴えで受診する患者がおり,対症療法で自宅に帰しても問題にならないケースもあるが,なかには,一定の割合でかぜではない患者が紛れてくる.鑑別診断の中には,肺癌や間質性肺炎,敗血症などの重篤な疾患,あるいは心筋梗塞,急性喉頭蓋炎,マラリアなどの渡航関連感染症も加わり,かぜだと思っていたら思わぬ病気を見逃してしまうピットフォールが存在する.かぜ症状を呈する患者に紛れた,かぜではない疾患をいかに拾い上げて,鑑別していくかは,内科医,呼吸器内科医の実力の見せ所と考えられる.そして,かぜを診られるというのはかぜ以外の疾患を見極められることに他ならない.
本特集は,本誌の対象となる内科医・呼吸器内科医に押さえてほしい,かぜの診断と治療,かぜ症状に紛れた呼吸器疾患,他疾患を見極める方法について,わが国における各分野のエキスパートの先生方にご解説いただいた.企画の特性上,呼吸器内科だけでなく,総合内科,感染症内科,循環器内科,耳鼻咽喉科,東洋医学科など多くの領域の先生方に執筆に際してお力添えいただいた.いずれの項目も実臨床に即しており,適宜症例提示を交えた,わかりやすい説明となっている.
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