特集 小児疾患におけるアフェレシス―治療法の1つの選択肢としての血液浄化療法―
Ⅱ.各論:各疾患に対するアフェレシス
川崎病に対するアフェレシス
伊藤 秀一
1
1横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学
キーワード:
川崎病
,
血漿交換療法
,
サイトカイン
,
冠動脈瘤
,
ガイドライン
Keyword:
川崎病
,
血漿交換療法
,
サイトカイン
,
冠動脈瘤
,
ガイドライン
pp.51-55
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000821
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SUMMARY
▷川崎病は乳幼児に好発する全身性血管炎であり,炎症性サイトカイン特にTNF-αが病態形成に大きくかかわっている.
▷本症の治療目標は,冠動脈瘤を残さないことであり,発症9日目までの解熱が冠動脈瘤の防止に重要である.血漿交換療法の本症への効果機序は,炎症性サイトカインの除去である.
▷本治療は,免疫グロブリン不応の場合に行うステロイド薬やインフリキシマブなどのセカンドライン以降の治療に対して不応の患者に限定的に選択される.
▷一方,本治療は他の内科的治療と比べ侵襲性と専門性が高く,効果発現にやや劣る治療ではあるが,現在も一定数の患者が必要とする,最後の砦的な位置付けである.
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