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今月の特集2 血管炎症候群
中型血管炎─川崎病を中心に
Medium-vessel vasculitis: Kawasaki disease
赤城 邦彦
1
1神奈川県立こども医療センター感染免疫科
キーワード:
冠動脈瘤
,
川崎病不全型
,
免疫グロブリン大量療法
,
IVIG不応例
,
TNF-α阻害薬
Keyword:
冠動脈瘤
,
川崎病不全型
,
免疫グロブリン大量療法
,
IVIG不応例
,
TNF-α阻害薬
pp.306-312
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103367
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■川崎病は急性熱性の全身性血管炎で,中型血管である冠動脈炎から冠動脈瘤への合併がある.
■診断は「診断の手引き」によるが,診断基準の6項目中4項目は微小血管炎の存在を示していると考えられる.診断定型例でない不全型でも冠動脈病変の合併がある.
■検査所見では,自己抗体はなく,非特異的な炎症所見の高値と炎症性サイトカインの上昇が目立ち,2週目以降の回復期に血小板増多をみる.心エコー図による経過観察が重要である.
■病理所見では,栄養血管支配領域である冠動脈外側部と内膜の炎症から始まり中膜の炎症に至るが,初期の好中球浸潤から単球・マクロファージの増殖性病変となる.結節性多発動脈炎と異なりフィブリノイド壊死は認めず,新旧病相の混在はない.
■治療は免疫グロブリン大量療法が有効であるが,反応不良例にはTNF-α阻害薬も試みられている.
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