特集 血菅炎症候群のすべて
3 中型血管炎
川崎病―画像診断:エコー
小野 博
1
1国立成育医療研究センター 循環器科
キーワード:
冠動脈瘤
,
心エコー検査
,
冠動脈径Z値
Keyword:
冠動脈瘤
,
心エコー検査
,
冠動脈径Z値
pp.1087-1091
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001729
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
川崎病は全身の中小動脈の非特異的血管炎であり,重症例では冠動脈に病変が認められる。川崎病はアジア人種に多く,ヨーロッパ人種で少ない。4歳未満で患者の8割程度を占め,年長児,生後2カ月未満の乳児では心血管障害の出現頻度が高い。心血管障害は急性期に13.6%で認められ,後遺症が残存する例は4.4%である。冠動脈病変は,第10病日までに多核白血球による血管壁の炎症が引き起こされる。その後,第40病日までに,血管壁にサイトカインやリンパ球が集積し,血管の内弾性層が破壊され動脈瘤を形成する。第40病日以後に,動脈瘤の修復,線維化が起きる。この部位に狭窄が出現すると,血栓が形成されることがあり,虚血や梗塞が引き起こされる。図1に冠動脈瘤の好発部位を示す。さらに冠動脈だけでなく,腸骨動脈,鎖骨下動脈にも同様の病変を引き起こすことが知られている。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.