特集 血菅炎症候群のすべて
3 中型血管炎
川崎病―画像診断:冠動脈造影
七里 守
1
1榊原記念病院 循環器内科
キーワード:
冠動脈瘤
,
冠動脈CT
,
冠血流予備比
Keyword:
冠動脈瘤
,
冠動脈CT
,
冠血流予備比
pp.1103-1112
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001731
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冠動脈病変の合併は川崎病の急性期の重症度を決定する際に重要な項目である。また,長期予後は冠動脈病変の重症度により決定される。小児では心エコーによる冠動脈瘤の描出が可能であり,その簡便性と非侵襲性から心エコーにより冠動脈瘤合併の有無と経過観察が行われる。小児においては冠動脈瘤診断のために冠動脈造影を行うことは必須ではなくなっている。しかし,冠動脈造影は冠動脈形態診断の標準的検査であり,長期にわたる経過観察の方法,再評価の時期,治療方針の決定に有用である。小児に対しても冠動脈瘤の定量的かつ客観的に冠動脈瘤の大きさ,部位,形態などを詳細に評価するために実施されている。成人では心エコーによる冠動脈瘤の描出が困難であり,臨床的必要性に応じて冠動脈造影により川崎病慢性期の冠動脈病変の評価が行われる。最近ではCTの進歩により川崎病後成人期の冠動脈病変の評価のために冠動脈CTが施行されることも多くなっていることから,従来の選択的冠動脈造影に加えて,解説する。
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