特集 全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
Ⅲ.全身疾患に伴う腎・尿路疾患
コラム:チアノーゼ腎症
益田 瞳
1
1東京大学医学部小児科
pp.207-208
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000049
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はじめに
先天性心疾患に対する外科治療の発達と小児集中治療の向上によって,小児先天性心疾患患者の多くが成人を迎えるようになった一方,小児期に手術が困難であったチアノーゼ性先天性心疾患や肺高血圧症が進行したEisenmenger症候群は一定数存在する.これらの患者では,慢性的な低酸素血症や赤血球増多によって,多臓器にわたる合併症を併発する(表).チアノーゼに起因する腎障害をチアノーゼ腎症といい,蛋白尿やネフローゼ症候群,慢性腎不全をきたすことがあり,生命予後にも影響を及ぼすため,小児科医として知っておくべき疾患概念である.
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