疾患の病態と治療 ハイリスクベビー
チアノーゼ
久永 幸生
1,2
,
吉田 茂則
1,2
Yukio Hisanaga
1,2
,
Shigenori Yoshida
1,2
1九州大学医療技術短期大学部
2九州大学医学部産婦人科学教室
pp.1105-1108
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205743
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チアノーゼ(cyanosis)は新生児期にしばしば認められる臨床症状であって,病態生理的立場から,循環適応の障害として末梢血流が遅くなった場合に起こる末梢性チアノーゼ(peripheral cya—nosis)と,還元ヘモグロビンの増量による中心性チアノーゼ(central cyanosis)に大別されるが,後者の方が臨床的意義ははるかに大きいと考えられている。チアノーゼは一般に重篤な呼吸循環障害の一表現として出現するものであるが,しかし,多くのチアノーゼは急激な出生直後における児の呼吸循環系の変動に対応するむしろ防御反応的意義をもつとさえいわれている。したがって,チアノーゼの児に対して第一になすことはhigh riskチアノーゼと,放置していても良いチアノーゼとの鑑別である。一方,周産期医学の進歩は呼吸困難症候群(IRDS)や一部の先天性心疾患の出生前診断をある程度可能にしており,また,先天性心疾患に対するE-type prostaglandinsの使用など,high riskチアノーゼの児の管理にも考えておかなくてはならない問題が出てきている。そこで主としてhigh riskチアノーゼの鑑別と管理に関する1,2の問題について述べることにする。
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