特集 胎盤を多角的に理解する
9.胎盤に由来するDNAと臨床応用
関沢 明彦
1
,
陳 霖稷
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座
キーワード:
母体血漿中cell-free DNA
,
出生前遺伝学的検査
,
胎盤限局性モザイク
,
絨毛傷害
Keyword:
母体血漿中cell-free DNA
,
出生前遺伝学的検査
,
胎盤限局性モザイク
,
絨毛傷害
pp.521-526
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001183
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要旨
母体血漿中cell-free DNAの約10%が絨毛細胞由来であり,そのことを活用して胎児の遺伝学的検査を行うのが非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)である.わが国のNIPTは,3種の染色体トリソミーを対象としているものの,国際的には,多胎妊娠,特定の微小欠失症候群,全ゲノム領域の検査(GW-NIPT),単一遺伝子疾患の検査などの多くの疾患が検査対象になっている.さらに,胎盤限局性モザイクなどの検出は周産期管理の向上につながる可能性がある.一方,母体血漿中胎児由来cfDNA濃度は,各種合併症の発症予測の分子マーカーとなる可能性があり,さらなる研究の進展が期待される.

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