特集 母児を感染から守る―妊産婦の感染症アップデート―
Ⅱ.注意すべき母子感染症
14.クラミジア感染症
岡田 知之
1
,
林 昌子
1
1日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科
キーワード:
性器クラミジア
,
母子感染
,
新生児クラミジア感染症
Keyword:
性器クラミジア
,
母子感染
,
新生児クラミジア感染症
pp.1167-1172
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000900
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要旨
クラミジア・トラコマティスによる性器クラミジア感染症は,わが国のなかで最も患者数が多い性感染症である.近年は感染者の報告数が増加傾向であり,コロナ禍においても増加傾向が持続している.クラミジア・トラコマティスによる子宮頸管炎や腹膜炎は,罹患しても臨床症状が乏しいため無症候性感染者がほとんどである.
妊婦のクラミジア感染症は,流産や早産に関係するだけでなく,産道感染により新生児が結膜炎や肺炎を発症するため母子感染の予防が重要である.適切なタイミングでスクリーニング検査を行い,抗菌薬投与により治療を行うことが肝要である.
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