合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ
一般不妊治療
不妊症に対する一般的な検査・治療
クラミジア感染症の検査
野口 靖之
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.49-52
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210224
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●クラミジア卵管炎は,治療後も卵管閉塞や癒着が残存するため卵管性不妊の原因になる.このため,不妊症治療を開始する前にクラミジアの現行感染を否定し,さらに既往感染の有無を把握する.
●現行感染の診断は,子宮頸管擦過検体から核酸増幅法によりクラミジアを検出し行う.また淋菌が重複感染するため,疑いがあればクラミジアと淋菌の同時検査が推奨される.既往感染の診断は,クラミジア抗体検査を行う.
●クラミジア抗体検査が陽性を示す不妊症例は,卵管性不妊症や卵管周囲癒着の存在を疑い,子宮卵管造影や腹腔鏡検査により卵管疎通性を確認することが推奨される.
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