特集 女性のライフコース疫学研究「日本ナースヘルス研究(JNHS)」のすべて
3.出生時体重,若年時体型と2型糖尿病
片野田 耕太
1
1国立がん研究センターがん対策研究所データサイエンス研究部
キーワード:
出生時体重
,
BMI
,
2型糖尿病
Keyword:
出生時体重
,
BMI
,
2型糖尿病
pp.507-513
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000695
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要旨
出生時体重,若年時の体型と2型糖尿病との関連について,日本ナースヘルス研究(JNHS)のベースライン調査の断面的分析結果を紹介する.出生時体重と2型糖尿病既往歴の関連については,出生時の体重が軽いほど2型糖尿病との関連が強いという結果であった[出生時体重の100g増加に対応する2型糖尿病オッズ比0.93(95%信頼区間:0.90-0.96;年齢と成人後BMI調整)].生物学的機序としては,いわゆるBarker仮説,つまり胎児期の低栄養への適応が考えられる.若年時(18歳時)のBMIとの関連については,U型,つまり18歳時BMIが大きい群でも小さい群でも2型糖尿病のオッズ比が大きい傾向があった.やせが2型糖尿病と関連する機序としては,低栄養や骨格筋の発達不良がインスリン抵抗性を惹起することが考えられる.ライフコースを通じた体重と2型糖尿病との関連は未知の部分が多く,今後の研究が期待される.
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