特集 女性のライフコース疫学研究「日本ナースヘルス研究(JNHS)」のすべて
2.日本人の閉経年齢,早発卵巣不全や早期閉経の割合,子宮内膜症と子宮筋腫のリスク因子,ライフコースにおける女性ホルモン剤の使用状況およびその特性
安井 敏之
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1徳島大学大学院医歯薬学研究部生殖・更年期医療学分野
キーワード:
JNHS
,
閉経
,
HRT
,
子宮内膜症
,
子宮筋腫
Keyword:
JNHS
,
閉経
,
HRT
,
子宮内膜症
,
子宮筋腫
pp.499-506
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000694
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要旨
①日本人の閉経年齢の中央値は52.1歳,早発卵巣不全の割合は0.28%,早期閉経の割合は1.67%であった.また,喫煙習慣がある,現在のBMIが低い,18~22歳時の月経が規則的,分娩歴がない女性では閉経年齢は早まっていた.片側卵巣摘出術を受けた女性,子宮内膜症と関連した不妊の既往がある女性では有意に閉経年齢が早まっていた.
②子宮内膜症に関与するリスク因子として,18~22歳時での月経周期が短いことが示された.子宮筋腫に関与するリスク要因について,高血圧の既往とともに母親の高血圧も関連がみられた.
③ホルモン補充療法(HRT)使用者の割合について,過去の使用者は3.2%,現在の使用者は10.6%であった.経口避妊薬(OC)使用者の割合は6.0%であった.過去にOCを使用していた女性,日常生活に支障をきたす月経痛を有する女性,血管運動神経症状の経験を有する女性,保健師や助産師,両側卵巣摘出術の既往のある女性では,HRTの使用が高かった.
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