特集 これでマスター! 最新 産婦人科ホルモン療法
第2章 各論
C 周産期
6 妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠に対するインスリン療法の実際
小谷 紀子
1
1国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科
pp.310-318
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000674
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薬剤選択のポイント
インスリン頻回注射:強化インスリン療法を必要とする血糖管理においては,基礎インスリンを補うための持効型インスリンと食事および高血糖補正に使用する超速効型インスリンが必要となる.
インスリンポンプ:1型糖尿病またはインスリン分泌不全を認める糖尿病においては,インスリン頻回注射による妊娠中の厳格な血糖管理を行うことは容易ではない.そこで持続グルコースモニタリング(continuous glucose monitoring:CGM)が搭載されたインスリンポンプの使用が推奨される.医療費が高額になること,また,すべての医療機関において提供できる体制がまだできていない点が今後の課題である.
血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose:SMBG)・CGM:インスリンを必要とする血糖管理においては,SMBGおよび/またはCGMを実施し,妊娠週数が進むにしたがい増加するインスリン量を,低血糖を起こすことなく調整する必要がある.
食事管理:インスリン調整による血糖管理だけでなく,食後血糖値の上昇を抑えるために1回に摂取する糖質量を減らすための分割食が推奨される.
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