トピックス
産褥期に無乳汁分泌を示すプロラクチン分泌欠損症
田部井 徹
1
1赤心堂病院
pp.143
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207733
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下垂体から分泌するプロラクチン(PRL)は,乳房発育,乳汁分泌,思春期の発来あるいは卵巣機能の調節など女性の生理生殖機能に密接に関与している。とくに高PRL血症が,乳汁分泌を伴う無排卵性無月経を示し不妊の原因となることは良く知られている。一般に,正常成熟婦人の血中PRL濃度は20ng/ml以下であるが,排卵を伴う卵巣機能を維持するには少なくとも3ng/ml以上必要とされている1)。血中PRL濃度が25ng/ml以上を高PRL血症とし,20〜25ng/mlの範囲を境界域とすることが多い。
高PRL血症の原因は,視床下部の機能低下により下垂体におけるPRL産生細胞の機能亢進によると考えられている。従って,高PRL血症に対する治療は,ドーパミン作動薬であるプロモクリプチン投与が有効であり,下垂体腺腫に対しては外科的摘出術を行う。
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