特集 これでマスター! 最新 産婦人科ホルモン療法
第2章 各論
B 女性医学
1 性分化異常
酢谷 明人
1
,
鹿島田 健一
1
1東京医科歯科大学発生発達病態学
pp.190-196
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000654
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薬剤選択のポイント
性分化疾患(difference of sex development:DSD)の成人期治療はホルモン補充療法などの内科的治療に加え,内外性器性腺における外科的治療(必要性の有無の判断を含む),さらに性自認やジェンダーを含めたsexual well beingへの治療的配慮が必要である.
多職種による医療チームを形成し,症例ごとに内外性器の状態や性線の状態などを注意深く評価し,治療方針を決定する.
女性ホルモン補充療法によって生じる身体的変化は不可逆である.補充療法開始前に,性自認が女性であることを必ず確認する.
性自認は,性役割,性的指向とは全く異なる概念であることを理解する.
DSD患者の多くは,性腺機能が低下あるいは欠損している場合が多い,その場合,性腺補充療法が必要となる.性腺補充療法は,性自認に沿った治療として行う.その場合の薬物治療法は卵巣の性腺機能低下症の場合と同じである.
子宮をもたない患者では,原則プロゲステロン製剤による消退出血は不要である.エストロゲン製剤のみによる治療でよい.
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