今月の臨床 病態生理の最前線—臨床へのフィードバック
生殖・内分泌
1.性分化の異常
鈴木 秋悦
1
,
北井 啓勝
2
1慶應大学医学部産婦人科
2社会保険埼玉中央病院産婦人科
pp.383-390
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902083
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●はじめに
性の分化は,性染色体によって遺伝的性が決定され,次いで性腺が分化し,身体的な性の特徴が決定され,精神的社会的な性に発展していく.しかし,この過程に何らかの異常が加わると,性の分化の方向に異常を生じてくる.この異常をきたす誘因としては,環境因子,発達障害因子,染色体異常,遺伝子の突然変異などがあげられる.
これらの性の分化異常の確定診断は,生後できるだけ早い時期になされることが肝要であり,とくに生下時の外性器の形態の観察が重要なポイントとなる.しかし,外性器だけでは男性とも女性とも鑑別し難い症例も多く,診断は必ずしも容易ではない.
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