今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”
腹腔鏡手術のピットフォール
良性疾患
2.卵巣腫瘍,子宮内膜症
工藤 正尊
1
,
櫻木 範明
1
1北海道大学大学院医学研究科生殖内分泌・腫瘍学分野
pp.1036-1044
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208547
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●子宮内膜症に対する腹腔鏡下手術,特に高度癒着症例に対する手術では,骨盤内の解剖を十分に理解する必要がある.
●尿管や直腸の損傷に注意する.ダグラス窩閉塞を伴う症例では,直腸の剝離の際には,直腸の左右から癒着剝離を行い,中央部の強固な癒着の剝離は最後に行う.
●仙骨子宮靱帯を深く切除する際に下腹神経,骨盤神経叢の損傷が起きやすいので,神経の走行に十分注意する.
●卵巣チョコレート囊胞に対しては,画像診断上悪性の可能性が低い場合,不妊症を含む妊孕性温存症例では,すべて囊胞摘除を行うのではなく,卵巣機能を低下させないような術式を選択するよう心がける.
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