特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
A.妊娠中の産科異常
7.妊娠高血圧症候群
藤井 達也
1
,
永松 健
2
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
2国際医療福祉大学成田病院産婦人科
pp.44-47
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000131
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妊娠高血圧症候群(HDP)は高血圧合併妊娠(CH),妊娠高血圧腎症(PE),妊娠高血圧(GH),加重型妊娠高血圧腎症(SPE)の4つの病型に分けられており,「早発型」「遅発型」など発症時期も含めて臨床的にも様々な病態を呈する包括的な概念である.一方で母体症状と関連が深い(加重型)妊娠高血圧腎症の共通の病態として,胎盤のsyncytiotrophoblast由来の血管新生因子(sFlt-1やPlGF)の発現異常が知られている.わが国においても母体血中sFlt-1/PlGF比が妊娠高血圧腎症の発症予知マーカーとして2021年7月に保険収載されている.今後,発症予知から予防,治療へとさらなる研究が進むことが期待される.
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