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エヴキーザ®(エビナクマブ)
多田 隼人
1
1金沢大学附属病院循環器内科
pp.121-125
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001108
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ANGPTL3とは?
アンジオポエチン様蛋白質(angiopoetin-like protein:ANGPTL)は血管新生や幹細胞の維持にかかわるアンジオポエチンに類似する構造的特徴をもつ分子のクローニングにより同定された.ANGPTLファミリーは,アンジオポエチンの特異的受容体であるTie2やそのファミリーメンバーであるTie1には結合できない.現在までに8種類のANGPTLファミリー分子が同定されており,ANGPTL3は肝臓より分泌され,脂質代謝や血管新生にかかわるホルモン様の蛋白質である.ANGPTL3はリポ蛋白リパーゼ(LPL)活性や内皮リパーゼ(EL)活性を抑制することにより超低密度リポ蛋白(very-low-density lipoprotein:VLDL)レベルを上昇させることが知られている.また,血管新生の調整にも関与することが知られている.
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