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イジュド®(トレメリムマブ),イミフィンジ®(デュルバルマブ)併用療法
藤原 裕大
1
,
黒田 英克
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科分野
pp.113-116
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000565
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2009年に進行肝細胞癌に対する一次薬物療法としてソラフェニブが初めて保険収載され,その後治療選択肢の幅が急速に広がっている.2020年には免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブと血管新生阻害薬であるベバシズマブとの併用療法がソラフェニブを対象としたIMbrave 150試験1)において生存期間延長を示し,一次薬物療法として保険収載された.また,2022年12月に新たに抗cytotoxic T-lymphocyte associated protein-4(CTLA-4)抗体であるイジュド®(トレメリムマブ)と抗programmed cell death-ligand 1(PD-L1)抗体であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)が保険収載された.2023年5月には「肝癌診療ガイドライン2021年版」2)が一部改訂され,アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法に加え,トレメリムマブ+デュルバルマブが並列し一次薬物療法に推奨された.本稿では,トレメリムマブ+デュルバルマブ併用療法,ならびにデュルバルマブ単剤における臨床試験と当院の使用経験を紹介する.
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