連載 視診で見抜く! 皮膚疾患の診かた
ステロイド外用薬の適応でないのはどれか?
梅林 芳弘
1
1東京医科大学八王子医療センター皮膚科
pp.1-4
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000541
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解説
皮膚疾患をアレルギー・感染症・腫瘍・創傷・その他に大別すると,およそ半数はアレルギーであり,ステロイドが有効である.特にステロイド外用薬は皮膚疾患の約1/3を占める湿疹(設問図④)には必須の治療薬であり,皮膚科領域で特に頻用される薬剤の1つである.一方,同じアレルギーに属する疾患でも蕁麻疹(設問図②)にはステロイド外用薬は適応がない.それはひとえに,蕁麻疹が真皮の疾患であり,病変が深いゆえに外用自体無効(真皮には血管があるため内服が有効),という理由による.表皮を主座とする湿疹では逆に,外用が有効で内服の必要性は乏しい.
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