特集 ポストコロナ時代の感染症診療
第V章 ポストコロナ時代に重要な薬剤耐性菌・微生物
3 バンコマイシン耐性腸球菌
萱場 広之
1
1秋田赤十字病院検査部
pp.315-320
発行日 2023年3月23日
Published Date 2023/3/23
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000184
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Summary
1.バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は医療関連感染の原因菌として世界的に問題となっている.
2.日本ではVRE分離率は低く保たれているものの,分離される医療施設数は増加傾向にあり,全国的な拡散が懸念される.
3.VREは,気づかぬうちに医療従事者や環境を介して院内伝播が起こりやすく,大規模なアウトブレイクにつながりやすい.
4.VRE陽性患者が発生した場合には,徹底したスクリーニングと隔離病棟の確保など,初動から思い切った対策が必要な場合が多い.
5.VREをはじめとする耐性菌の分離状況は地域医療圏において素早く情報共有できる体制を作っておくことが重要である.
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