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バンコマイシン耐性腸球菌
小森 敏明
1
,
藤田 直久
2
1京都府立医科大学臨床検査部
2京都府立医科大学臨床検査医学教室
pp.1191-1193
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903680
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バンコマイシン
バンコマイシン(vancomycin;VCM)は放線菌の一種であるAmycolatopsis orientalisから分離したグリコペプチド系抗生物質である.作用点は細菌の細胞壁であり,細胞壁の構成成分であるムレインモノマーのD-alanyl-D-alanine(D-Ala-D-Ala)の部分に水素結合し,細胞壁の構築を阻害することにより抗菌活性を示す.VCMは分子量が1,486と大きいため,グラム陰性菌の外膜を通過することができず,グラム陰性菌に対して抗菌作用はないが,グラム陽性菌に優れた抗菌力を持ち,特にMRSA感染症に対する治療薬として高く評価されている.
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