特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(1)婦人科編
婦人科 新鮮胚移植と比べて凍結融解胚移植の成績がよいのはなぜ?
吉田 淳
1
1木場公園クリニック
キーワード:
凍結保存
,
胚移植
,
不妊症
,
治療成績
,
ガラス化
Keyword:
Embryo Transfer
,
Treatment Outcome
,
Cryopreservation
,
Infertility
,
Vitrification
pp.1098-1100
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022353392
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胚を凍結・融解することは、胚にストレスを与える。しかし、症例を限定すると妊娠率は新鮮胚移植と比較して凍結融解胚移植が高い。このデータを基に、日本では新鮮胚移植より凍結融解胚移植が多く実施され、全胚凍結を治療のメインとしている施設もある。凍結融解胚移植が新鮮胚移植よりいい理由として、(1)高刺激では、自然周期と比べると採卵直前のエストラジオール(E2)値が高く、プロゲステロン(P)値の上昇も早いため、子宮内膜の成熟が早くなり妊娠率が低下する、(2)クロミフェンを用いる卵巣刺激では、クロミフェンの副作用で子宮内膜が薄くなる時があり、その時は妊娠率が低くなる、(3)採卵の影響で子宮の収縮が多くなり妊娠率が低下するなどがある。
Copyright© 2022 SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.