特集 外陰疾患A to Z
非腫瘍性・非感染性疾患 急性外陰潰瘍・ベーチェット病の外陰病変
中村 晃一郎
1
1埼玉医科大学附属病院 皮膚科
キーワード:
Behcet症候群
,
カンジダ症-外陰腟
,
外陰疾患
,
潰瘍
,
鑑別診断
,
陰部ヘルペス
,
梅毒
,
Lipschuetz病
Keyword:
Candidiasis, Vulvovaginal
,
Behcet Syndrome
,
Diagnosis, Differential
,
Herpes Genitalis
,
Vulvar Diseases
,
Ulcer
,
Syphilis
pp.54-58
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022071435
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急性外陰部潰瘍(Lipschuetz潰瘍)は、若年女性に生じる急性の非感染性外陰部潰瘍である。しばしば鼠径部リンパ節腫脹、咽頭痛などの感染症状を先行病変に伴う。原因は不明であるが、多くは一過性の経過をとり軽快する。ベーチェット病は皮膚や眼などの多臓器に炎症を生じる原因不明の疾患で、口腔内アフタ性潰瘍、眼症状、外陰部潰瘍、結節性紅斑様皮疹、毛嚢炎様皮疹、表在性静脈血栓症などの皮膚症状を生じる。外陰部潰瘍は深い潰瘍(穿窟性潰瘍)を生じ、疼痛を伴う。慢性に経過し、再燃をくり返し、ときに他臓器(腸管、血管、中枢神経)に病変を生じる。陰部潰瘍は口腔内アフタ性潰瘍とともにしばしば初発症状として出現する。陰部潰瘍を生じる疾患には、性器ヘルペス、梅毒、カンジダ性外陰炎などの感染症による陰部潰瘍、壊疽性膿皮症、クローン病、外陰がんの腫瘍による陰部潰瘍があり、これらを鑑別したうえで適切な治療が必要である。
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