最新知見で挑むMRSA対策
■MRSA感染対策❶MRSAに対して常に接触感染対策が必要か否か
本田 仁
1
1藤田医科大学感染症科 教授
pp.287-293
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000586
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耐性菌における接触感染対策は,長年にわたり,特に急性期病院で実施されてきた感染対策である。1990年以降,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の院内での発生率は増減はあるものの,医療関連感染症の重要な起炎菌として認識され続けており,治療に難渋する症例も散見される。例えば,MRSA菌血症における死亡率は報告により20~30%程度あり,患者へのインパクトは大きく,決して無視できる病態ではない。医療関連感染症は一般に,起炎菌が定着し,その定着した細菌が感染症を引き起こすというモデルで感染が成立する。このモデルに基づき,接触感染対策の現状の歴史的経緯を辿りながら議論を展開する。

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