Special feature 見極めて強化する流行期の感染対策
■流行期の疾患の理解と感染対策のポイント❸蚊媒介感染症―デング熱等
清水 少一
1
1産業医科大学医学部 免疫学・寄生虫学 講師
pp.253-257
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000503
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デング熱やマラリアに代表される蚊媒介感染症は,世界中で公衆衛生上の重要な問題となっている。気候変動や国際的な人の移動の増加に伴い,従来は熱帯や亜熱帯に限局していた蚊媒介感染症が温帯地域に拡大しつつある。本邦でもマラリア,デング熱,ジカウイルス感染症などの輸入感染症が報告されており,2014 年以降はデング熱の国内感染例も確認されるなど蚊媒介感染症への警戒が高まっている。特に2020 年のコロナ禍以降は輸入感染症が一時的に激減したものの,全世界ではデング熱やマラリアの増加が報告されており,またアウトバウンド,インバウンド共に増加し,本邦でも増加に転じている(図1)。
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