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特集 新興・再興感染症と感染症対策
E.ベクター
迫り来る蚊媒介性感染症
Emerging arboviruses and mosquitoes as their vector
江下 優樹
1,2
,
Runtuwene Ronald Lucky
3
,
林田 京子
4
,
飛彈野 真也
1
,
神山 長慶
1
,
小林 隆志
1
Eshita Yuki
1,2
,
Runtuwene Ronald Lucky
3
,
Hayashida Kyoko
4
,
Hidano Shinya
1
,
Kamiyama Naganori
1
,
Kobayashi Takashi
1
1大分大学医学部感染予防医学講座
2マヒドン大学熱帯医学部
3東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻生命システム観測分野
4大分大学医学部全学研究推進機構動物実験部門
pp.352-355
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200189
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デング熱,チクングニア熱,日本脳炎などは,蚊が媒介するウイルス性疾患である。病原体は,節足動物媒介性ウイルス(arthropod-borne virus;別名arbovirus)と総称される。わが国における日本脳炎患者数は激減しているが,媒介蚊とウイルスは国内には依然として存在している。感染拡大の条件が整えば再流行する可能性は今でもある。例えば,2014年8月に国内で勃発したデング熱患者の発生が挙げられる。
わが国のような温帯地域での疾患の流行要因として,交通網の発達に伴って,ヒトや動物の移動が加速度的に早くなってきたことが一因として挙げられる。また,自然環境の異変によって,熱帯地の乾期と雨期の区別がつかなくなり,媒介蚊の生息域拡大につながっている。更に,ウイルスの変異により媒介蚊の病原体感受性が高くなり,温帯地域にも拡大して,患者数と流行国が増加している1)。
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