特集 ―患者を守る!自分も守る!―感染予防の“2つ”の基本
なぜ手は荒れるのか?―知識に基づいた「手荒れ」防止とケアの方法
加藤 則人
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚病態制御学
pp.882-887
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100524
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「手荒れ」とは,表皮の角層に適度な湿度や柔軟性がなくなり,乾燥,鱗屑,皮膚肥厚や亀裂などを生じる状態や,紅斑や小水疱などの湿疹病変を伴うものなど,手掌,手背,手指の皮膚に生じる皮膚炎の俗称である.医療関係者に生じる手荒れは,痒みや亀裂の痛みによる自身のQOL低下,手洗いや消毒などの業務による症状悪化への懸念とともに,重症化すると患者への細菌感染の機会を増加させる可能性も有しており,深刻な問題である1).
本稿では,皮膚のバリア機能と手荒れの生じるメカニズムや症状について述べたうえで,手荒れ防止対策とケア方法について概説する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.