基礎知識/知ってるつもり
“aggressive GCT”
牛込 新一郎
1
1東京慈恵会医科大学・病理学教室
pp.881
発行日 1995年7月25日
Published Date 1995/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901683
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骨の巨細胞腫(GCT)は整形外科医の間ではその臨床的ならびに生物学的特徴など良く知られている.しかし,鑑別診断,とりわけ良性か悪性かの鑑別などの問題,組織発生の問題など,数々の未解決の問題があることもわかっている.さらに,組織学的には異型が目立たないのに肺転移する例benign metastasing GCT(またはsemimalignant GCTとかlow-grade neoplastic GCTなどとも呼ばれることがある)や,なお概念が曖昧な悪性GCTなど本腫瘍の特徴の一面がうかがえる1).
一方,今回の主題であるaggressive GCTについてであるが,その概念は確定していない.では,どのような場合にこれが適用されているのであろうか.これをあえて用いるならば,生物学的性格や画像上の特徴や予後などとの関連があるべきであろう.単なる形容詞的な表現では意味がない.
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