Special feature 一人ひとりの管理と実施で解決 手指の健康と手指衛生
■Nursing care 看護ケア別『手指衛生の5つのタイミング』の実践
❸排尿・排便ケア,リネン交換,ベッド周囲の環境整備
小野寺 隆記
1
1洛和会丸太町病院 看護部 師長 感染管理認定看護師
pp.203-208
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000137
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はじめに
手指衛生は最も大切な感染対策であり,洛和会丸太町病院(当院)も遵守率上昇に向けて様々な取り組みをしている。しかしながら,簡単なはずの手指衛生行動であるが,看護ケアの中で適切なタイミングで実施できていないのが現状である。
当院では世界保健機関(WHO)の手指衛生の5つのタイミングについて啓発する上で,実際の看護ケアに合わせた独自のタイミングで手指衛生を啓発している(図1)。
実際の業務場面を提示することでタイミングを解りやすく伝え,WHO 5つのタイミングの遵守率が上昇することを目的としている。実際に十分とは言えないが手指衛生遵守率は介入前後で上昇した。
手指衛生の啓発をするうえで,直接観察法は有用であるが観察場面以外は現場スタッフに任されている。WHO 5つのタイミングは概念であり,実際のケア場面では手順への落とし込みが求められる。適切な手指衛生のタイミングを共通理解するために,現場での指導が重要なことは言うまでもない。本稿では病院以外に介護の現場でも実施されるケア場面について,当院の手順を基に紹介する。
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