Special feature 技術進歩とともに進化する 軟性内視鏡の感染管理
■Management 科別で捉える軟性内視鏡の管理・運用の実際
❶耳鼻咽喉科
齋藤 康一郎
1
1杏林大学 医学部 耳鼻咽喉科学教室 教授/杏林大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科 診療科長
pp.146-151
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000121
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耳鼻咽喉科内視鏡の感染制御に関する手引きの策定
近年,国内外の複数の診療科から,感染予防の一貫として内視鏡などの感染制御に関する指針が呈示されている。この流れを受け,日本耳鼻咽喉科学会(日耳鼻)でも2013年9月に「耳鼻咽喉科診療器具の消毒方法に関するガイドライン作成ワーキングループ(WG)」を立ち上げた。WGの会議を経て2014年4月には『耳鼻咽喉科内視鏡の感染制御に関する手引き(手引き)』素案が作成され,日耳鼻の学術委員会,保険医療委員会の評価,審議を受けた。その後,2015年6月に作成された『手引き』修正案は2016年3月の日耳鼻理事会での承認を経て,日耳鼻公認の『手引き』として同年6月には学会誌(119巻6号)に掲載され1),翌月ホームページに公開された。この『手引き』は,患者と医療従事者の両者を守ることを目的とし,耳鼻咽喉科診療で頻用される軟性内視鏡の取り扱いに関する基本的な対策を紹介している。本稿では,耳鼻咽喉科領域における軟性内視鏡の感染管理につき,『手引き』策定後約4年が経過した時点での現状につき杏林大学医学部付属病院(当院)も例にあげて述べ,その将来的な展望にも触れたい。
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