Special feature 技術進歩とともに進化する 軟性内視鏡の感染管理
■Focus
内視鏡施設の最新モデルを知る
-―ダブルドア式自動内視鏡洗浄機の視察体験記
森兼 啓太
1
1山形大学医学部附属病院 検査部部長/病院教授/感染制御部部長
pp.142-145
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000120
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はじめに
自動内視鏡洗浄では高水準消毒薬が使われるため,洗浄後の内視鏡の清浄度は洗浄前に比べて格段に高くなる。したがって,洗浄前と洗浄後の内視鏡を扱う場所をエリア分けできれば,洗浄後の内視鏡が再び汚染されるリスクを低減できる。
しかし,一般的な自動内視鏡洗浄機は開口部が1つしかなく,洗浄前と洗浄後の内視鏡を扱う場所を厳密にエリア分けすることは不可能である。洗浄前の内視鏡を洗浄機に投入する際に洗浄機の開口部の扉の取手に触れることで取手が汚染され,洗浄後に取り出す際に再び取手に触れたのちに洗浄後の清潔な内視鏡に触れることで,せっかく高水準消毒薬で滅菌に近い状態まで持って行った内視鏡を汚染してしまう。
さて,中央材料部における洗浄・消毒機は,前後に2つの開口部を持ち,手前から材料を投入して向こう側から取り出す形式のものが一般的になりつつある。この方法が自動内視鏡洗浄機にも応用できれば,理想的であろう。これがダブルドア式自動内視鏡洗浄機である。しかし,このような装置を導入している病院は,日本にはまだ無いと思われる。
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